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AI商品写真にラベルは必要?

執筆:Pouch Apps

このページでは、その根拠を、元の文書へのリンクとともに説明します。出典はすべて2026年10月20日に確認しました。

EUのルール:EU AI法第50条

EU AI法第50条第4項は、AIを使って「ディープフェイク」画像を生成または操作する事業者に対し、そのコンテンツが人工的に生成または操作されたものであることを開示するよう求めています。2026年8月2日から適用されています。今年の夏に合意された「AIに関するデジタル・オムニバス」は、AIツールの提供者が負う一部の義務について猶予を与えましたが、この義務は延期されていません。

EU AI法の定義(第3条第60号)では、ディープフェイクとは、AIで生成または操作されたコンテンツのうち、実在する人物、物体、場所、出来事などに似ており、人に本物であると誤って認識させるものを指します。「物体」には消費財も含まれるため、商品写真も対象です。

ストアが見落としやすい点があります。

  • 自社のチームが作った画像は自社の責任です。 スタッフやフリーランスがMidjourney、ChatGPT、Firefly、PhotoshopのGenerative Fillを使っている場合、そのストアが「導入者(デプロイヤー)」となり、ラベルを付ける義務を負います。代理店に制作を依頼し、AIを使うかどうかに関与できない場合は、代理店が導入者です(ガイドライン第14段落)。それでも、AIを使ったかどうかは代理店に知らせてもらいましょう。
  • EU域外のストアも対象になり得ます。 欧州委員会は、EUの買い物客が見られる公開のインターネット上に画像を掲載するだけで十分だとしています(ガイドライン第13段落)。EUに発送する英国や米国のストアは、このルールが適用されると考えておくべきです。
  • 以前の画像は対象外です。 2026年8月2日より前に作成した画像にラベルを付ける義務はありませんが、欧州委員会はラベル付けを推奨しています(ガイドライン第153段落と第154段落)。
  • 制裁金は事業規模で上限が決まります。 上限は1,500万ユーロまたは全世界売上高の3%です(第99条第4項)。中小企業の場合は、そのいずれか低いほうです(第99条第6項)。

欧州委員会の例で見る対象

欧州委員会は2026年7月20日に 第50条に関するガイドライン を公表しました。法的拘束力はありません(拘束力のある解釈を示せるのはEU司法裁判所だけです)が、規制当局はこのガイドラインに沿ってルールを解釈します。広告や商品写真の例も含まれています。

ガイドラインでは、次のものをディープフェイクとしています。

  • 商品の見た目、性質、機能について誤解を招くおそれのあるAI画像。たとえば、実際の商品と違って見せる、より魅力的に見せる、実際より高品質に見せるものです。
  • モデル、「お客様」、インフルエンサーなど、AIで生成したリアルな人物。ガイドラインは、リアルなAIアバターを人物として扱っています(第113段落)。

一方、次のものは通常対象外です。

  • AIで生成した背景の前に実際の商品(ガイドラインの例では車)を配置したもの。ただし、広告が商品について誤解を招かない場合に限ります。
  • AIによる色補正、背景の拡張、明らかに見た目を整える目的での背景の差し替え、既存の商品の並べ替え、サイズ変更(第116段落)。
  • 明らかに非現実的な画像。ガイドラインの例は、チーズメーカーの広告で、AIで生成したネズミたちがチーズをめぐって言い争うものです。

ガイドラインには、基準が見た目より厳しいことを示す点が2つあります。基準は客観的なもので、画像にどんな意図を込めたかは関係ありません(第114段落)。また、想定上の平均的な買い物客ではなく、子ども、高齢者、インターネットに慣れていない人も含めた、すべての閲覧者を基準にします(第115段落)。

よくある商品画像に当てはめると、私たちの解釈は次のとおりです。

画像ラベルは必要?
実際の商品写真で、AIで背景を削除または差し替えたもの通常は不要
AIで生成した部屋やシーンに実際の商品を配置したもの商品のサイズ、色、質感が忠実であれば、通常は不要
写真のようにリアルなAIモデルが商品を着用または使用しているもの必要な可能性が非常に高い
実際の衣類を使ったAIによるモデルの差し替えやバーチャル試着人物について、必要な可能性が非常に高い
写真と見分けがつかない、すべてAIで生成したレンダリング必要
質感、色、サイズ、品質を変えるAI編集必要。ラベルがあっても誤解を招くおそれあり
イラストや明らかに様式化されたアート作品通常は不要
アップスケール、ノイズ除去、シャープ化不要

「明らかに芸術的、創作的、風刺的またはフィクション的」な作品には例外がありますが、変わるのは開示の方法で、開示するかどうかは変わりません。ガイドラインは、明らかに商業目的のコンテンツはこの例外に当たらないとしているため(第119段落から第123段落)、商品画像で役立つことはほとんどありません。

ラベルに求められる見た目

EU AI法は、開示は遅くとも最初に接触した時点で「明確かつ識別可能な方法」で行う必要があるとしています(第50条第5項)。ガイドラインはさらに次の点を挙げています。

  • 買い物客が何も操作せずに見えること。 カーソルを合わせたとき、メニューの中、利用規約の中にしか出ないラベルは認められません(第142段落)。
  • メタデータだけでは不十分。 ファイル内の電子透かしやContent Credentialsで買い物客に伝えることはできません(第117段落)。
  • 最初の接触はすべての人とすべての出力に適用される(第143段落)。実際には、画像が表示される場所ごとに最初の接触として扱ってください。商品ページ、カテゴリの一覧、クイックビュー、ズーム表示です。

2026年6月10日に公表され、欧州委員会が適切と認めた任意の AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範 は、デザインについてさらに踏み込んでいます。ラベルの主な要素として「AI」の文字を使い、画像の右上隅など、ほかのものに隠れない場所に置くことを推奨しています。画像の上に重なって見えるオーバーレイも認められます。タップやカーソル操作で開く2層目では、画像が生成されたものか編集されたものか、何が変わったかを説明できます。ラベルはスクリーンリーダーで読み上げられ、高いコントラストを保つべきだとしています。

欧州委員会は、 AIコンテンツのラベル表示用のEUアイコン も公開しており、出典表示なしで無料で使えます。使用は任意で、使用しても行動規範に署名したことにはなりません。

英国:ラベル表示の法律はないが、誤解を招く画像は禁止

英国には第50条に相当する規定はありません。英国広告基準協議会(Advertising Standards Authority)は、広告でのAI使用の開示について 一律の法的要件はない と明言しています。

適用されるのは、消費者を誤解させることを禁じる一般的なルールです。

  • Digital Markets, Competition and Consumers Act 2024(2024年デジタル市場・競争・消費者法) (legislation.gov.uk)は、誤解を招く行為(第226条)と誤解を招く不作為(第227条)を禁止しています。2025年4月6日から、CMAは直接制裁金を科せるようになり、上限は全世界売上高の10%です。
  • CAP Code(英国広告実務規約) は、自社サイト上のマーケティングを対象とし、商品画像も含まれます。AIの使用を伏せると誤解を招く場合は、開示が必要です。CAPの例は、商品では実現できない美容効果を示すAI画像で、AIの使用を断り書きで示していても誤解を招くとされています。ASAの2026年の解説 AIとディープフェイク:広告主が知っておくべき4つのこと も、ルールが全面的に適用されることを改めて示しています。

英国政府は2026年3月に AI生成コンテンツのラベル表示に関するタスクフォース を設置し、2026年秋に中間報告を出すとしています。私たちはまだ公表を確認していません。また、EUに販売している場合は、上記のEUのルールも適用されます。

ラベルを付けても誤解を招く画像は解決しない

EUでは、 不公正取引方法指令 (第6条と第7条)が、見た目を含む商品の主な特徴について買い物客を誤解させる画像を禁止しています。英国ではDMCC Actが同じ役割を果たします。どちらも、画像にラベルがあるかどうかに関係なく適用されます。欧州委員会のガイドラインは、ラベルを付けたからといって、誤解を招く広告がEU AI法のもとで許されるわけではないとしています。

そのほかに確認すべきルール

  • Google Shopping。 Googleの 画像に関する要件 では、AIで生成した商品画像にAIのメタデータを付けるよう求めており、フィードの画像にオーバーレイやスタンプを入れることは認めていません。ラベルはサイト上で画像の上に表示し、Googleに送るファイルには入れないでください。
  • マーケットプレイス。 AmazonとEtsyには、出品者向けに独自のAI開示フラグがあります。最新の出品者ポリシーを確認してください。
  • ニューヨーク州。 2026年6月9日から、AIで生成した「合成パフォーマー」を意図的に使う広告には、その旨の表示が必要です (S8420-A)。

ストア向けチェックリスト

  1. 代理店やフリーランスが制作したものも含め、AIで作成または編集した商品画像を洗い出します。
  2. それぞれについて確認します。画像全体をAIで作成したか。実際の写真を加工したか。商品が実物と違って見える可能性はあるか。AIで作成したリアルな人物が写っているか。
  3. 商品を正しく表していない画像は修正します。ラベルでは解決しません。
  4. 本物と見分けがつかない画像にラベルを付けます。ほかのAI画像にもラベルを付けるかどうかを決めます。信頼のために、AIの関与をすべて表示するストアもあります。
  5. 画像が表示されるすべての場所で、買い物客がクリックせずに見える位置にラベルを置きます。
  6. 誰が、いつ、なぜ判断したかを記録します。

出典

このガイドは2026年10月20日時点の一般的な情報であり、法的助言ではありません。ご自身のストアについての助言は、資格のある弁護士にご相談ください。

Footnoteは画像へのラベル付けを支援するツールです。法律上どの画像にラベルが必要かを判断するものではなく、法的助言でもありません。